驚異のNikon Z 9

2021/10/24

ビックリ仰天です。

近年こんなに驚いた事はありません。

Nikon Rumorsの新情報によれば、ニコンのZ 9のセンサー読み出し速度は4ms(0.004秒)との事です。

そう言われてもピンと来ないかもしれませんが、この4msを分数で表すと1/250秒です。

画像読み込み時間のトータルが電子シャターの幕速度(スキャン速度)

すなわちZ 9の電子シャターの幕速度は1/250秒という事です。

とは言え、これは予想の範囲内です。

ビックリ仰天したのは、その動画性能です。

何と後追いのバージョンアップによって、8K60P動画に対応するかもしれないそうです。

これまた噂の範疇なのでどうなるかは不明ですが、もしこの情報が正しければ3300万画素の写真を秒速60コマで撮るのと同じ事になるのです。

もし17:9のDCIサイズ(ハリウッドのシネマサイズ)の8Kに対応しているとすれば、3500万画素で秒速60コマになります。

いきなりそんな事が可能なのでしょうか?

ご存知かもしれませんが、従来幣サイトでは、ニコンの商品企画は最低だと口が酸っぱくなるほど言い続けてきました。

何しろ、APS-CサイズのプレミアムコンパクトのCOOLPIX A(2013年~)から始まって、アクションカメラのKeyMissionシリーズ(2016年~)、1インチサイズコンパクトのNikon DLシリーズ(2017発売中止)、1インチサイズミラーレスのNikon 1シリーズ(2011年~2018年)と、億単位の開発費を投入して新規市場を開拓しながら、自らそれを潰していったからです。

巨額の開発費を投じながら結局日の目を見る事がなかったNikon DLシリーズ

それらのリソースを重点投入して開発されたミラーレス一眼のZシリーズが期待に沿う物だったらまだしも、当初出て来たZシリーズはソニーのα7シリーズの焼き直しとも言える様な代物でした。

α7R IIIとα7 IIIの焼き直しにしか見えなかったNikon Z 7(左)とZ 6(右)

ところがこのZ 9は、完全にその期待を裏切る製品と言えます。

後追いで8K60Pが撮れる様にすると聞くと、何となく付け焼刃でこしらえる様に思われるかもしれませんが、そうではありません。

撮像素子を含めた全ての画像処理のハード系において、8K60Pの処理能力を持たせていなければ、到底できない所業です。

それができる能力を持っているという事は、恐らくZ 9は要素研究から含めると、5年以上前から開発を進めていたのでしょう。

すなわちニコンの商品企画は、先代のNikon D5(2016年発売)がリリースされて以降、Nikon D6(2020年発売)の次はNikon Z 9であり、Nikon Z 9はこうあるべきだとの明確な青写真を完成させ、その実現が如何に困難を極めるかを十分理解していたのです。

それが故に、前述のKeyMissionシリーズ(2016年~)や、Nikon DLシリーズ(2017発売中止)、Nikon 1シリーズ(2011年~2018年)が中断されたのです。

その上で、今まさに(動画で先行していた)他社に先駆けて8K60Pを実現できる機種をリリースしようとしているのです。

この苦労話は、NHKのプロジェクトXでたっぷり語って貰うしかありません。

 

1件のコメント

だとすると、z6iiやz7ii、D6がかなり地味なマイナーアップデートだったのも合点がいきますね
内容的にはほぼD5sのD6がCanon1Dxiiiの様にミラーレスと一眼レフのいいとこ取りをしたのに対してD6はあくまでもストイックに一眼レフとしての機能を極限まで磨いたのも同時にz9が開発されてたからでしょうね。
そして、D6に恐らくD6にしか搭載されないであろう109点オールクロス位相差センサーを新たに開発して搭載したのもNikon一眼レフ最終機になるであろうD6への手向け花だったんだと思います。

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