2022/05/20
ついにNikon Z 50を入手しました。

Nikon Z 9登場後、ニコン機に興味津々なのですが、いきなり買い換えたら期待外れだったというのも困ります。
そんな訳で手始めにAPS-Cサイズ機のZ 50を手に入れて、どんな使い勝手か調べてみる事にしました。
で、いきなり戸惑ったのが、ご存知の通りレンズの着脱方向とズームの回転方向が異なる事ですが、これは大した問題ではないでしょう。
何しろその昔、Canon F-1の前は、Nikon F2を使っていたのですから。
そんな事より、やはり電源スイッチが右側にあるのと、背面モニターがチルト式だというのは、本当に便利です。
これだけで買い替えるは価値はあると確信した次第です。
これでZ 9に採用された縦横可変チルトが搭載されたら、もう決まりでしょう。
と言いながらも、Z 50を使っていくつか気になった事がありますので、忘れない内にメモしておきます。
①シャターボタンの下にある前ダイヤルが非常に回し難い。
キヤノン機の場合、前面ダイヤルはシャッターボタンの後ろ上部にあり、こちらの方が格段に回し易いのは間違いありません。

またダイヤルの突出量も小さく、回転トルクも重い様に思います。
また手探りで前ダイヤルを探していて、うっかり電源スイッチを切ってしまた事もあります。
この前ダイヤルの操作性は、かなり気になります。
②ISO感度や露出補正を変更するのに、一度ISO感度ボタンや露出補正ボタンを押さねばならずかなり面倒

キヤノン機の場合、背面ダイヤルを含めて4つのダイヤルがあるので、絞り、シャッタースピード、ISO感度、露出補正を一対一で対応できるのはかなりのアドバンテージです。
③メニューの構成がキヤノン機と大きく異なる

特にペンマークのカスタムメニューが他社機にない項目なのですが、どうやら静止画メニューと動画メニューの詳細設定メニューと思えば良さそうです。
また全てが縦方向にスクロールするので、慣れたら使い易いかもしれません。
④AF補助光が緑色
一般的なAF補助光は赤なのに、緑色とはめずらしい。
ただしベイヤー配列では緑の画素が1番多い事を考えれば、確かに緑色の方が理に適っている様な気もします。
⑤FHD120Pで音声が記録できる
ただし4倍スローで録画する場合は、連続録画時間は3分になります。
またFHD120P及び4倍速では被写体検知は機能しないので、これはマズイと思ったのですが、追尾AFは働くのでこれで何とかしのげそうです。
⑥静止画撮影時に録画ボタンを押しても録画はしない
ただし録画中にシャッターボタンを押すと、(使う事はないでしょうが)静止画が撮れます。
⑦水準器が目立ち過ぎる

キヤノン機と違って動画撮影中も水準器が表示されるのは良いのですが、水平線と黄色の枠はともかく、周りの羅針盤はどう見ても不要でしょう。
⑧AFエリアの切り替えも、ボタンとダイヤルの複数操作が必要で面倒
キヤノン機の様に、ボタンを押すごとに切り替わっていく様にしてほしいものです。
⑨キットレンズのNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRが非常にコンパクト
このため、普段携帯している小さなカメラバックには従来EOS R6+RF24-105mmF4Lと小型ストロボしか入らなかったのに、EOS R6+RF35mm F1.8と本機の2台が収まるのはうれしい誤算です。

おまけに、本機にはストロボも内蔵されているので、小型ストロボの携帯も不要となりました。
⑩ネックストラップ無しで使うと、ストラップを付ける三角環が邪魔
ただし傷を付けずにこの三角環を取り外すのは、かなり難しそうな感じです。
⑪モニターの明るさをボタン一つで最大輝度にする機能がない
このため輝度調整メニューを呼び出す必要があります。
⑫ISO AUTOが、ISO値の選択の中に入っていない
キヤノン機の場合、ISO値の中にISO AUTOも入っているのですが、本機のISO感度をいくら変えてもISO AUTOは出てきません。

このため異なるダイヤルでの切り替えが必要になります。
具体的にはISO感度ボタンを押して、後ダイヤルを1クリック分回さなければいけないため、非常に面倒です。
⑬Wireless Transmitter Utilityのアクセスポイントモードがまともに機能しない
このため、止む無くインフラストラクチャーモードで使用。
⑭格子表示が4×4しかない
見慣れた3×3がないのは困りました。
⑮背面モニターの情報表示(文字やマーク)を全て消せない
これが本機最大の問題かもしれません。
背面モニターに撮影対象となる画像だけを表示させる事ができないのです。
これだと画面の端に余計な物が写り込んでも、気が付かない可能性があります。
⑯絞りやシャッタースピードをスライダーで調整できない
本機の場合、タッチパネルを使って絞り値等を変えるには、下にあります様に◀▶(もしくは◀◀ ▶▶)ボタンを何度も押さなければなりません。

ところがキヤノン機でしたら、下の様にスライダーを左右にずらすだけで素早く調整できます。

おまけにスライダーでの調整の方が、変化量が感覚的に分かり易いというメリットもあります。
⑰背面モニターと外部モニターが同時に使える
キヤノン機の場合、(外部録画の設定にしない限り)カメラにHDMIケーブルを差し込んだ瞬間に背面モニターは消えてしまいます。
ところが本機は、背面モニターと外部モニターが同時に使えるのです。
これはかなり便利です。
⑱ハイスピードの動画撮影では外部モニターは使えない
先ほど背面モニターと外部モニターが同時に使えるとお伝えしたのですが、大きな落し穴がありました。
何とハイスピード動画(FHDの4倍スローと120Pの動画)撮影では、外部モニターは使えなくなる(表示されない)のです。
マニュアルには書いてあるものの、この様な事はやはり使ってみないと気付かないものです。
⑲スピーカー部に風防スポンジが貼れない
風切り音防止のために、スピーカー部に風防用のスポンジを貼りたいのですが、平面部が少ないので貼れそうもありません。
小さなスポンジでも十分効果があるので、何とか標準で付けてくれないものでしょうか。
⑳現像ソフト(NX Studio)は普通そう
まだ実際に使った訳ではありませんが、インストールして画面を見た限りでは特に気になる所はなさそうです。
21. 暗いとAFが機能を停止する
気になる事象が見つかりました。
暗闇でMモードにして、シャッタースピード1/80秒、絞りF3.5、ISO100でシャッターボタンを半押ししても、AF補助光も発光しなければAFの枠も表示されないのです。
試しに、シャッタースピードを1/25秒まで遅くしたらようやくAF補助光が発光しAFが動き出しまた。
バグなのでしょうか?
22. チルト式モニターの開閉が重い
毎度褒めちぎっているチルト式モニターですが、不満が無い訳ではありません。
それは、開閉が重い事です。
それが故の事もあるのですが、開けるときの指の掛かりが悪いのも気になります。
タッチ操作をするので余り緩くてはいけないでしょうが、どうみても重すぎます。
このため、試しにヒンジ部に注油してみたのですが、開閉力は全く変わりませんでした。
どういう構成と材質なのかは分かりませんが、ヒンジ部はかなりしっかりした造りの様です。
それは良いのですが、できれば開閉力を今より半分程度に落としてほしいものです。
そうなると更に使い易くなるのは、間違いありません。
23. PCに自動転送したファイルの階層が深い
Wi-Fi経由でPCに転送した画像ファイルが、Z 50\Z 50 2015958\DCIM\100NZ_50と指定したフォルダーの更に3段も深い階層に保存されてしまいます。
一方キヤノン機の場合でしたら、EOS R6\2022_01_21と指定したフォルダーの直下に撮影日毎のフォルダーが作られて入るので非常に便利。
24.拡大率がJPEGファイルの大きさに依存する
Nikon Z 50で撮影した画像を拡大すると、RAWファイルも一緒に撮っていながら、拡大率はJPEGファイルのサイズに依存します。
具体的には、JPEGファイルのLサイズなら21倍、Mサイズで16倍、Sサイズで10倍になり、RAWファイルだけで撮れば21倍に拡大できます。
ところが、RAW+JPEGで撮ると、JPEGファイルがSサイズならば10倍までしか拡大できないのです。
当初これは短所だと思ったのですが、キヤノン機と比べると、そうでもありませんでした。
キヤノン機の場合、どんな設定で撮ろうが、全て画像が粗くならい程度の同じ大きさ(10倍)にしか拡大されないのです。
理想を言えば、両機共RAWファイルで撮っていれば、それを元に目一杯拡大してほしいものです。
25. モニターの明るさがカスタムモードに登録されない
風景撮影用、或いは夜間撮影用として自分用の設定をモードダイヤルのU1或いはU2に設定でいるのは良いのですが、その中にモニターの明るさが登録できないのです。
このため折角夜間撮影用の設定をU1に登録して選択しても、モニターが最大輝度で光る可能性があるのです。
この理由はモニターの明るさ調整が、時間の設定と同じセットアップメニュー(スパナマーク)に分類されているからの様です。
これは早い内に修正した方が良いでしょう。
26. メカニカルシャッターが使えない
本機には両幕のメカニカルシャッターが搭載されているのですが、どうやってもこの設定にする事ができません。

不思議に思っていたのですが、どうやらこの理由は暗いキットズームレンズを使っている場合、電子先幕シャッターを強制的に使用する様にしている様です。
メカニカルシャッターを選択できないのは、ネガティブな印象ですが、暗いレンズであればボケ欠け等の弊害は出ないので、シャッターブレの発生しにくい電子先幕シャッターにする事はむしろ好ましいと言えます。
生憎確認はできていませんが、恐らく明るいレンズを装着すれば、メカニカルシャッターが選択できる様になり、シャッター方式をAUTOにすれば、通常は電子先幕シャッターでボケ欠けの発生する高速域になれば、自動でメカニカルシャッターに切り替わってくれるのでしょう。
もしそうならば、明るいレンズを装着した場合でも、ボケ欠けを気にする事無く、電子先幕シャッターを使う事ができます。
26. 露出ディレーモードが合理的
Nikon Z 50には他社機には見られない、露出ディレーモードなる機能があります。

これはシャッタボタンを押してから0.2~3秒後に露光を開始する機能で、他社機の2秒セルフタイマーの様なものです。
ところが、この機能を使うとシャッターボタンを押した瞬間、クシュとメカ音がするのです。
そして、露光が終わってシャッターが閉じるまで、その後何の音もしません。
不思議に思っていたのですが、電子先幕シャッターを使っている場合、シャッターボタンを押した直後に絞りを動かしている様です。
他社のセルフタイマーでしたら、露光開始直前に絞りを動かしており、もしその微振動を避けるのならば、シャッターボタンを押した直後に絞りを動かす方が合理的です。
いやはや、良く考えられています。
TBC
ISO AUTO
ISOボタンを押しながら前ダイヤルを回すと切り替えができます
後ろダイヤルは手動によるISO感度の変更なので操作系が分けられていますね
Z7以来のユーザー(現在Z7II)です。参考までにコメントさせていただきます。
水準器はZ7準拠のやつです。もっというとD850あたりの一眼レフの背面モニター用のやつまんまです。一眼レフのファインダー側の水準器表示は邪魔にならない表示なので、ライブビュー側は静止画での風景撮影時用に厳密に角度まで調整できるようにしたんだろうと勝手に推測します(これが必要になる場面が自分には思いつきませんが)。ミラーレス機ではファインダーでもこれを使わされるので大変不評だったらしく(当たり前)Z7II以降はすっきりした表示に変わりました(羅針盤部分から邪魔くさい目盛が消え細い半透明の目立たない円だけになった)。Z9だとさらにシンプルな表示に改善されている(もはや意味がなくなった円が無くなった)うえ、一眼レフのファインダー内と同じ表示方式(typeB)を選択できるようになっているようです。これはファームでできるなら全機種に欲しいです。
格子線はZfc以降(Z9も)3×3と4×4が選択できるようになりました。これもファームでできるなら全機種欲しいです(というか何でZ7IIにファームで当てないか不明レベル。AF向上とかを優先的に改善したいのは分かるんですが)。
あと、画面の情報表示の全部消し(「ライブビュー情報表示の消灯」機能)もZ7II以降は使用できるようになっているので、自分は静止画撮影時は録画ボタンに割り当ててます。
貴重な情報ありがとうございます。
大変参考になりました。
電子水準器やモニター表示全消しはZマウント第2世代機(z6ii、z7ii、Zfc)は地味に改善されてますね。
第3世代機(Z9)ではメニューに大幅な変更がなされていて、オン・オフとか2択のメニューではメニュー一覧からオンオフ出来るなどかなり使いやすくなってます。
確か格子表示も3×3と4×4が選べるようになってたんじゃないかな。