カメラに欲しい機能17点(更新中)

忘れない内に、カメラに欲しい機能をメモしておきます。

1. 絞りブラケット

これは、どうしても欲しい機能です。

絞りブラケットとは、露出ブラケットと同様にシャッターボタンを1回押すと絞り値を変えて複数枚撮ってくれる機能です。

Lumix S1シリーズの絞りブラケットに関する説明図

Lumixのミラーレスカメラにはどれも搭載されているのですが、何故他社機は搭載しないのでしょうか。

Lumix S5IIとS5IIX

明るい単焦点レンズを使うと、ついつい絞り開放で撮ってしまうのですが、それですと背景がボケ過ぎたりピントが甘くなる事があります。

そうなると、多少絞りを絞った写真も保険として撮っておきたいのです。

或いは逆に被写界深度と解像度優先で絞り込んで撮っている場合、ついでに奥行き感を出すため絞りを開けた状態でも撮っておきたいものです。

そんなときに、レンズの絞り環や本体の絞りダイヤルをカチカチ回すのは面倒でしょうがありません。

露出ブラケットやフォーカスブラケットより余程有効だと思うのですが、何故普及しないのでしょうか。

以前はソニーのαシーズにも、有償で絞りブラケットの機能を追加できたのですが、何故か今は廃止されました。

こういう機能は素人向けだとでも思っているのでしょうか?

何とかして欲しいものです。

2. プリキャプチャ機能

プリキャプチャ機能でも欲しい機能です。

これはシャッターボタンを半押しした状態で、ここぞと思う瞬間にシャッターボタンを全押しすると、そのコンマ数秒前の画像がメモリーに保存される機能です。

Nikon Z 9のプリキャプチャ機能説明図

その昔決定的瞬間という言葉が流行りましたが、所詮ここぞと思ってシャッターボタンを押した所で、コンマ数秒は遅れて写っています。

ちなみにクルマの場合でしたら、危険を察知してからブレーキが効き始めるまで平均で0.6秒を要するとの事です。

上図の空走距離が人間の反応時間に起因する

シャッターボタンを押すのは、もっと早でしょうが人間である以上、どんなに反射神経が優れていても、見た瞬間の写真が撮れないのは間違いありません。

これを使うには、事前にプリキャプチャ機能をONにしておかなければいけないとか、電池を余計に消耗するとか、電子シャッターになるとか、少なからず短所はあるのですが、無駄に高速連写するより余程有効です。

以前はμ4/3機にしか搭載されていなかったのですが、今ではフルサイズ機にも普及してきました。

ちなみにフルサイズ機に最初に搭載されたのは、積層型撮像素子を搭載したNikon Z9が最初だったのではないでしょうか。

このため画像の読み取り速度が速い機種しかできないかと思っていたのですが、今では手元にあるEOS R8にまで搭載されています。

という事は、ドライブレコーダーと同様に画像の読み取り速度よりも、バッファーを多く搭載している方が重要なのかもしれません。

3. パワーズーム

レンズで欲しいのは、動画撮影用のパワーズーム機能です。

下にあります様に、ソニーのEマウントレンズにはかなり以前からパワーズーム対応のレンズがいくつか用意されています。

14万円           換算15-30mm(8万円)      換算24-75mm(3.5万円)

これに対して他社でも、遅ればせながら徐々に商品化されています。

換算18-42mm (5万円)      換算27-180mm(10万円)

ではキヤノンはと言うと、とても一般人が買えない様な超高級パワーズームレンズしかない所が悲しい所です。

RF24-105mm F2.8 L IS USM Z(45万円)+ズームアダプタPZ-E2(13万円)

ただしそうは言いながらも、動画撮影中にズームさせるのは、滅多にあるものではありません。

実際テレビドラマや映画では、ズーミングしているシーンは殆ど見かけませんし、ズーミングを多用すると動画が安っぽく見えるのも事実です。

このため、どうしてもズーミングしたい場合は安価なAPS-Cサイズのパワーズームレンズを使うか、次にご紹介するデジタルズームで代用するのも手かもしれません。

4. 動画のデジタルズーム

次は動画のデジタルズームです。

ご存知の様にデジタルズーム自体は、静止画においてはかなり昔から存在していました。

ただしそれは画像一部を拡大するだけだったので、出力する画像サイズが小さいときか、さもなければ画像が粗くなる場合もありました。

一方動画の場合、カメラの画素数より遥かに画素数が少ないので、単焦点レンズでありながら、画質を全く落とすことなく、ズームレンズとして使う事ができます。

実際下にあります様に、EOS R6の1.6倍クロップとデジタルズームによるクロップを組み合わせると、35mmの単焦点レンズでありながら、全く解像度を落とす事なく35~80mmの4K動画を撮る事が可能でした。

画素数の少ない動画であれば、クロップ(デジタルズーム)しても画質は低下しない

ところが不思議な事に、動画でデジタルズームを使える機種はつい最近までありませんでした。

もしかしたら、そんな機能を搭載したらズームレンズが売れなくなるからと、搭載を渋っていのでしょうか。

それとも素人が思うほど、シームレスに画素混合する事は、そんなに簡単な事ではないのでしょうか。

と思っていたら、ついに動画でデジタルズームの使えるミラーレスカメラが登場しました。

それが下にあります2022/9に発売された4000万画素の撮像素子を搭載したフジフィルムのX-H2です。

恐らく解像度無低下の2倍デジタルズームを恐らく世界で初めて搭載したフジフィルムのX-H2

これでしたら解像度を低下させずに4KとFHD動画撮影時に2倍デジタルズームが使用可能です。

さらにフルサイズでデジタルズームを可能にしたのが、ニコンのNikon Z 9です。

恐らくフルサイズ機で解像度無低下のデジタルズームを世界で初めて搭載したNikon Z 9

本機には発売時にその様な機能は無かったのですが、2022/10に更新されたファームウェア(V.3.0.0)においてハイレゾズームという名称で本機能が追加されました。


Nikon Z 9のV.3.0.0に追加されたハイレゾズームのサンプル動画

これによって4KとFHD動画撮影時に2倍のデジタルズームが使用できる様になりました。

ただし理論上4Kでは4倍まで解像度の低下なくズームできるので、今後に期待です。

一方キヤノンにおいては、EOS R6 Mark IIから10倍のデジタルズームが搭載されました。

10倍のデジタルズームを搭載したEOS R6 Mark II

ただし残念ながら、これはFHDの24fpsでしか使えません。

むしろ他社並みの倍率で構わないので、全動画モードで使える様にして欲しいものです。

いずれにしろ今後動画においては、広角ズームよりもデジタルズームの方が主流になる様に思われます。

5. ストロボ用コマンダー内蔵

これも待ち望んでいる方は、意外に多いのではないでしょうか。

GodoxのストロボコマンダーX3

電波式のストロボ用コマンダーを、カメラに内蔵してしまうのです。

EOS R3ではコマンダーの電源をカメラ本体から供給できる様にしたため、コマンダーを大幅に小型化する事ができましたが、ここまでやるのなら何故カメラにコマンダー機能を内蔵しなかったのでしょう。

EOS R3に装着したスピードライトトランスミッター(ST-E10)

そうすれば邪魔なコマンダーをカメラの上部に乗せる必要もなく、いつでも離れたストロボを自由自在に操れます。

或いは、ストロボをバッグから取り出して、手に持ったままでストロボ撮影が可能になりますし、アクセサリーシューを別の用途にも使えます。

おまけにカメラ側には、BluetoothやWi-Fi用の発信機もアンテナも搭載されていますので、大したコストアップも無しにこの機能を追加する事は可能です。

ただしその場合、サードパーティー製のストロボを使えなくなるのですが、コマンダーが無くなる事を考えれば、高い純正品を選んでも損はありません。

6. 自動水平維持機能

静止画でも動画でも、自動的に水平を維持してくれる機能は欲しくないでしょうか。

GoPro等のアクションカメラでは、既にかなり強力な水平維持機能が付いているのですが、一般的なカメラにおいては目立ったものはありませんでした。

ちなみにペンタックK5には、下にあります±2度まで補正してくれる自動水平補正機能が付いていました。

ペンタックスK5の自動水平補正機能

またキヤノンにおいては、EOS Kiss M2PowerShot G7 X Mark IIIに、キヤノンが呼ぶ所の自動水平補正機能が搭載されていました。

自動水平補正機能を備えたEOS Kiss M2

ですが電子補正ため当然クロップされますし、大きな声では言えませんが、PowerShot G7 X Mark IIIの自動水平補正を使ってみても、効いているのかどうか分からない程度のものでした。

そんな事を思っていたら、何とキヤノンから本格的な水平維持機能を搭載したカメラが登場したのです。

自動水平補正機能を搭載したEOS R7

それがEOS R7に搭載された自動水平補正機能です。

これは何と、電子補正ではなくボディー内手振れ補正を使って行なわれているのです。


EOS R7の宣伝動画

すなわち、撮像素子を傾けて行われているのです。

更にEOS R7の動画を切り出して調べてみた所、何と±4度近くも補正される様です。

補正量は4度近くありそうなEOS R7の自動水平補正

これだけ補正ができるのは、マウント径に対して撮像素子が小さいが故に手振れ補正の可動範囲が広いAPS-Cサイズ機だからかもしれませんが、とにかく素晴らしい。

かなり難しいとは思いますが、何とかフルサイズ機にも搭載してほしいものです。

それができた暁には、背景に水平線が写ってる写真を現像中に傾き修正する必要がなくなりますので、大幅に工数削減が可能になります。

7. 蛇腹フード

その昔、中判カメラには必ずオプション設定されていた蛇腹フードはどこにいったのでしょう。

Hasselblad 500 c/m 80mm Plannar + Proshade

単焦点レンズなら良いのですが、ズームレンズの場合フードは広角端にしか対応していません。

RF24-105mm F4 L IS USMとそのフード

全くと言って良いほど役に立たないズームレンズ用のフードの代わりに昔の蛇腹フードを付けたいのですが、フィルター枠に付けるのはどうしても強度的に不安があります。

RF24-105mm F4 L IS USMに装着した蛇腹フード

似た様なフードでしたら、ビデオカメラ用にバンドア風の物もあるですが、これでは少々心もとない感じです。

バンドアスタイルのレンズフード

このため、強度のある鏡筒の外側に取り付けられる軽い蛇腹フードを作ってくれないものでしょうか。

8. 露出設定リセット機能

何方も経験があると思うのですが、電源ON直後に撮った写真が、いきなり露出オーバーだったり、無駄にシャッタスピードが速かったり、ISO感度が異常に上がっていたりする事があります。

これは前回電源をOFFしたときの露出設定を記憶しているためで、便利な反面、撮影シーンが変わったときには不便です。

このためリセットボタンを1回押す、あるいは電電をOFF/ONすれば、露出設定をその場で最適な設定から始められる様にしたくなります。

キヤノン機のFvモードでそれに近い事ができるのですが、他社機においてもその様な機能を設けて欲しいものです。

9. マイク穴の風よけ

なぜこうもカメラのマイク穴はこんなにも無防備なのでしょうか。

風に対して全く無防備なマイク穴

素のままでしたら、風が強い日に動画撮影をすると、バリバリと盛大な風切り音が入ってしまいます。

これを防止するため、マイク穴に小さなスポンジを貼付するだけで、かなり風切り音を防げます。

マイク部にスポンジを貼付

にも関わらず、何故それをやらないのでしょうか。

10. 人物全員合焦機能

こんな事はないでしょうか。

人物を浮き上がらすために、絞りを開け気味にして複数の人物を撮影したら、片方の人物がボケていた。

奥行のある複数の人物を撮ると、一方の人物がボケてしまう。

このため止む無く、絞りを無駄に絞って被写界深度を深くして撮る事になります。

ですが、複数の人物の最短と最遠の距離を測定し、ピント位置をその中間にし、更にその範囲が被写界深度にギリギリ入る絞り値にしてやれば、正に理想の写真が撮れます。

とは言っても、現場でそんな悠長な事はやってられません。

そんな訳で、それを自動でやってくれるカメラはできないものでしょうか。

11. ストロボのチャージ音の復活

その昔、ストロボを使っていた方でしたら良くご存知でしょう。

ストロボが発光した直後、コンデンサーを再充電するためにキュイーンというチャージ音(コイルの発信音)がしていた事を。

チャージ音が懐かし70年代のストロボ

ところが最近のストロボは、発振周波数を制御しているのか、このチャージ音が全くしなくなってしまいました。

で、このチャージ音なのですが、撮影時に非常に役立つのです。

というのは、このチャージ音の大きさと長さによって、前回の発光量の強さが分かり、さらにこチャージ音が徐々に小さくなる事でチャージが完了したかどうかや、電池の消耗度が判断できたからです。

何とかこのチャージ音を、復活させて貰えないものでしょうか。

この音をスイッチでON/OFFできる様にしてくれたら、言う事ありません。

12. 安いチルトシフトレンズ

続いては、またまたレンズの話です。

余り興味はないでしょうが、一度チルトシフトレンズを使ってみたいと思いませんでしょうか。

キヤノンのTS-Eレンズ群

そう思って調べてみると、F値はF4~F2.8と暗いにも関わらず、思った以上に高価です。

その理由は、確かにレンズをチルトしたりシフトする機構が付いているせいもあるのですが、最大の理由はイメージサークルがフルサイズより遥かに大きい光学系を採用しているからなのです。

ではイメージサークルがどれくらい大きいかと言えば、中判サイズのカメラにも使えるほど大きいのです。

そうなると思われないでしょうか。

ならばチルトやシフトするときはAPS-Cサイズで良いから、イメージサークルはフルサイズ程度で、もっと安いチルトシフトレンズを作ってほしいと。

誰も聞いてはくれないでしょうが、ダメ元で書いておきます。

13. 録画開始音

恐らく何方でも、何度経験された事でしょう。

録画そしていたつもりだったのに、録画していなかったという事を。

最近は、録画開始と共にモニターに赤い外枠が表示される様になったのですが、それでも疲れていたり、周囲が明るかったりすると、見落としてしまったりもします。

キヤノンのPowerShotのG7 X MarkIIIに追加された録画中の赤枠表示

そこでお願いしたいのが、録画開始と終了時に音を鳴らしてほしいのです。

スマホでしたら、既にそんな仕様になっているのに、なぜカメラには備わっていないのでしょうか。

14. パワーフォーカス機能

静止画でしたら全く必要ないのですが、動画用にパワーフォーカス機能を搭載して貰えないでしょうか。

これがあれば、動画撮影中にピントが合っている状態から徐々にぼかす、或いはその逆が簡単にできます。

もっと我儘を言わせて頂ければ、アウトオブフォーカスなるボタンを追加して頂いて、押すとピンボケになり、離すと合焦するとなれば言う事ありません。

そうすればワンマンオペレーションながら、お洒落な動画が量産できます。

ネットでパワーフォーカスを検索すると下の様なごついシステムが表示されますが、そもそもレンズ内にAF用の駆動モーターが内蔵されているのですから、ここまでやる必要はないでしょう。

追加のハードウェアは一切必要は無いのですが、どこか願いを叶えて貰えないものでしょうか。

15.パワー絞り機構

通常レンズの絞りを開けたり閉めたりするには、レンズに付いている制御環を回したり、カメラ側の絞りダイヤルを回します。

これも静止画ならそれで全く問題ないのですが、動画撮影中にそれをやると、カメラが振動したり、回転音が入ったりします。

これを無音でボタン一つで操作できる様にできないものでしょうか。

それができれば、同じ画角のまま背景をボカしたり、クッキリさせる事ができます。

そんな事を考えていたら、実はそれに似た様な事ができるのでご紹介します。

それはモニター上のソフトキーで行います。

下はキヤノン機の場合ですが、モニター上に絞り調整画面を表示し、左右にある三角マークを押し続ければ動画撮影中に絞りを開けたり、閉じたりできるのです。

キヤノン機のモニター上での絞り変更画面

場合によっては、モニターに触れる振動を拾う事もあるのですが、使ってみる価値はあります。

16.ビットレート調整機能

動画のビットレートは、カメラによって既に決められています。

ところが、このビットレートが非常に高い値になっているのです。

ちなみに上はEOS R6 MarkIIのビットレートなのですが、モードによって数十~数百Mbpsになっており、ファイルサイズもとんでもなく大きくなります。

例えば4K30Pの場合120もしくは60Mbps、FHD30Pの場合30もしくは12Mbpsです。

確かに何を撮るか分かっていない状態ならば、ビットレートは高めに設定しておかなかればならないのですが、ある程度経験を積んでくれば、どれくらい低いビットレートでも大丈夫かかなり分かってきます。

ちなみに下はYoutubeに動画をアップする場合の推奨ビットレートなのですが、これでも4K30Pの場合35~45Mbps、FHD30Pの場合8Mbpsとカメラの設定値より低めになっています。

タイプ映像ビットレート、標準フレームレート
(24、25、30)
映像ビットレート、高フレームレート
(48、50、60)
8K80~160 Mbps120~240 Mbps
2160p(4K)35~45 Mbps53~68 Mbps
1440p(QHD)16 Mbps24 Mbps
1080p(2K/FHD)8 Mbps12 Mbps
720p5 Mbps7.5 Mbps
480p2.5 Mbps4 Mbps
360p1 Mbps1.5 Mbps

特に画面の変化が少なかったり、被写体の模様が細かくなければ、それこそこの1/5でも問題ありません。

そうなると撮った動画を全てリサイズすれば良いのでしょうが、それも面倒ですし、そもそも元の動画はそのまま残しておきたいものです。

このため、叶えてくれる可能性は非常に小さいのですが、ビットレートの調整機能を設けて貰えないものでしょうか。

17. 照射面が縦長のストロボ

またまたストロボのお話です。

通常のストロボの発光面は横長で、照射面も横長です。

比較的均一なストロボの照射面

これを照射面が縦長になるストロボを作って貰えないものでしょうか?

照射面が横長なのは、当然ながら撮影画面が横長だからでしょう。

しかしながら、それは素人の考えです。

そもそもストロボの目的が、暗い所を明るく写すためと思うのが大きな間違いです。

そんなふうに思うから、人物だけがテカリ気味に明るくて、背景が真っ暗なストロボ写真を撮ってしまうのです。

通常発光

ストロボの役目は、被写体と背景の明るさを調整するものなのです。

スローシンクロ

その場合被写体だけ照らせば良いので、何も照射面が横長である必要は全くないのです。

また最近では、照射面が円形のものがありますが、世の中に丸い被写体なんて存在するものでしょうか?

こんなストロボを、知識の無いプロ写真家が光が良く回るとか訳の分からない事を言って褒めたたえるから困ったもんです。

必要なのは照射面が縦長のストロボです。

 

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