2021/10/30
ご存知でしょうか?
Nikon Z 9の電子シャッターの最高速度は、1/32000秒だという事を。
またソニーのα1も同じく電子シャッターの最高速度は1/32000秒で、キヤノンのEOS R3に至っては何と1/64000秒を達成しています。
項目\機種 | α1 (2021/3) |
Z 9 (2021/12) |
EOS R3 (2021/11) |
画素数 | 5000万画素 | 4500万画素 | 2400万画素 |
電子幕速度 | 1/200秒 | 1/250秒 | 1/180秒 |
ISO感度 (拡張) |
100-32,000 (50-102,400) |
64-25,600 (32-102,400) |
100-102,400 (50-204,800) |
メカシャッタースピード | 1/8000-30, B | N/A | 1/8000-30, B |
電子シャッタースピード | 1/32000-30 | 1/32000-30 | 1/64000-30 |
従来も小サイズ機で電子シャッターの1/32000秒を達成した機種はあったのですが、電子シャッターの幕速度が遅い(ローリング歪が目立つ)事から普通に使うには少々無理がありました。
ところが上記3機種は電子シャッターの幕速度は1/180秒以上ですので、ローリング歪を然程気にせずに電子シャッターを使えます。
ではシャッタースピードが1/32000秒になって何が良いかと言えば、(大きな声では言えませんが)一般的な撮影においては殆どメリットはありません。
何故ならば、下の噴水の写真にあります様に、ある程度高速になればシャタースピードを変えても画像に大きな変化はないのと、そもそも1/8000秒以上で撮れる様な明るい環境が自然界にないからです。
例えば真夏のビーチであっても、明るさはせいぜいEV15程度ですので、この場合ISO100のF5.6であれば、1/1000秒で撮れてしまうのです。
ですので、例え1/32000秒まで使えるとしても、(実験用途ではない)一般的な撮影では殆ど使いみちが無いと言っても良いでしょう。
ですが、たった一つだけメリットがあります。
それは明るい場所で、大口径レンズを絞り開放で撮れる事です。
先ほどのEV15の真夏のビーチで、50mm F1.2のレンズを絞り開放で撮るとします。
すると、ISO100の絞りF1.2で、シャッタースピードは1/24000秒まで上げなくてはいけないのです。
このため今まではNDフィルターを装着しなければならなかったのですが(これが非常に面倒)、1/32000秒まで使えるとなると、NDフィルターを使わないでも大口径レンズを絞り開放で撮れるのです。
さすがにNDフィルターを使わないために50万円以上のカメラを買える訳もありませんので、いつか幕速度1/250秒以上でシャッタースピード1/32000秒の普及機が出るのを気長に待ちたいと思います。
と言いたい所ですが、その日はかなり近いでしょう。
何故ならば、所詮フラッグシップ機は利幅が大きいと言えども、売り上げには然程貢献出来ません。
となると、当然ながら売り上げに大きく貢献する稼ぎ頭の普及機に頑張って貰おうと思うのが、企業家としての人情でしょう。
そんな訳で、来年中には幕速度1/250秒以上(当然メカシャッター無し)で、シャッタースピード1/32000秒のフルサイズ普及機が出ると予想する次第です。
そしてその最右翼が、ニコンであり、次期Z 6IIIだと予想するのですが、いかがでしょうか?
オールドレンズ使ってて、
わざとゴーストやフレアを出すために、
絞り開放で、太陽を画面に入れて撮る場合、
1/10000以上は必須ですからね。