日中シンクロで遠くの被写体を照らすには
ハイスピードシンクロか?それとも通常発光か?

2022/08/06

はじめに

どちらの方が、より遠くまでストロボの光が届くのでしょうか?

下は海と空を背景とした逆光気味の人物写真です。

焦点距離24mm F5 1/500秒 ISO100

ここで人物を明るく撮るため、ストロボを発光させるとします。

日中シンクロで遠くの被写体を照らすにはどうするか

その場合、以下の二つの手があります。

一つ目は、このままの露出設定でハイスピードシンクロ(連続発光)を使ってストロボを光らせる方法。

もう一つは、少し絞りを絞って、シャッタースピードをストロボ同調速度まで下げて(遅くして)、ストロボを通常発光(単一発光)させる方法です。

果たしてどちらが、より遠くまで光が届くでしょうか?

そうなると、実際に試してみるしかないのですが、それも面倒なので机上でシミュレーションしてみたいと思います。

ハイスピードシンクロ

まずハイスピードシンクロの場合です。

生憎ハイスピードシンクロでガイドナンバーが、通常発光に対してどれくらい低下するかか書かれている仕様書は少ないので、ここではその数値がマニュアルに記載されているソニーのHVL-F60RMを使った場合で考えてみます。

下のHVL-F60RMのマニュアルによれば、照射角200mmで、シャッタースピードが1/500秒のときのハイスピードシンク時のガイドナンバーが11.8です。

HVL-F60RMのハイスピードシンクロ時のガイドナンバー

また先ほどの写真において被写体までの距離が5mだとします。

すると被写体を明るく照らすためには、ガイドナンバー25(5m×F5)以上が必要になります。

という事は、残念ながらハイスピードシンクロでは被写体を十分に照射できない事になります。

通常発光

次なる方法は、絞りを絞ってシャッタースピードをストロボ同調速度まで落とし、ストロボを通常発光させる方法です。

カメラのストロボ同調速度が1/250秒だとしますと、そのシャッタースピードにするのは、絞りをF5から1段絞ってF7.1にしなければなりません。

という事は、被写体を明るく照らすためには、ガイドナンバー35が(5m×F7.1)必要になります。

一方下の表にあります様に、HVL-F60RMの照射角200mmにおける通常発光時のガイドナンバーは60ですので、これなら十分光量が足ります。

HVL-F60RMの通常発光時のガイドナンバー

まとめ

そんな訳で、日中シンクロで遠くの被写体を照らしたのならば、ハイスピードシンクよりも、絞りを絞ってシャッタースピードをストロボ同調速度より下げた方が効果的と言えます。

ちなみに先ほどの写真の場合でしたら、絞りをF7.1、シャッタースピードを1/250にしてストロボを通常発光させれば、以下の様の様な写真が撮れるはずです。

焦点距離24mm F7.1 1/250秒 ISO100 ストロボ通常発光のイメージ写真

ところで、ここで思い付いた事があります。

もしここで、3枚の明るさの異なる露出の写真を合成するHDR撮影をしたらどうなるのでしょうか?

空と海の青さを残したまま、人物だけをを明るくしてくれるでしょうか?

それとも、やはり(DHR画像特有の)メリハリのない、ベタとした画像になるのでしょうか?

いつか試してみたいと思います。