動画とCGの本質的な差(同じ4Kでも見た目の解像度は異なる)

以前別の記事で、一般的な環境であれば4KとFHD動画の差は殆ど分からないので、撮影するならFHDで十分という話をしてきました。

4K動画不要論

その理由は、1画素に自由に配色できるCGに対して、動画はコントラスト色差の低下、更にはブレボケが発生し、人の眼の分解能を考えると4KとFHDの差を感じるのは非常に難しいからです。

CGと動画は見かけの解像度が全く異なる

ところが、実はもっとCGと異なる点があるのです。

という話をしたいと思います。

それが何かと言いますと、デモザイク(ディベイヤー)です。

本来デジタルでカラー画像を読み込むためには、同じ個所のRGB3色のデータを採取するために異なるカラーフィルターが乗った3枚の撮像素子が必要になります。

3板式撮像素子の画像処理

ところがデジカメの撮像素子は1枚しかありません。

ではどうやっているかと言えば、1枚の撮像素子に三色のカラーフィルターを配置し、近傍の異なる箇所の色情報を利用して1画素に3色の色情報を持たせているのです。

ベイヤー配列の場合、足りない色情報を周囲の画素からもってくる

これをデモザイク、もしくはディベイヤーと呼びます。

という事は、デジカメの画像における見た目の解像度(空間周波数)は3板撮像素子と比べて1/3だと言えない事もありません。

実際下の写真の様に、単板と3板式では鮮やかさだけではなく、解像感も明らかに上です。

ただしそれは、4K動画であろうとFHDの動画であろうと、同じ事ですので、比べれば4Kの方が解像度は上です。

ところがテレビゲームの様なCGの場合は、1画素の色情報は完全に独立していますので、デジカメで撮った動画より明らかに見た目の解像度が上なのです。

このためCGのFHD動画と4K動画は区別し易いものの、デジカメでデモザイクした動画のFHD動画と4K動画はそれよりも判別が難しいという訳です。

更にです。

デジカメの場合、モアレ防止のために、1本の光を四分割するローパスフィルターまで付いていますので、見かけ上の解像度は更に低下しているのです。

ローパスフィルターは1本の光を4分割している

そんな訳で、確かにテレビゲームやPCの文字でしたら4KとFHDの差は分かるのですが、動画となると実質的な解像度はそれらよりかなり劣るので、FHDと4Kを見分けるのはかなり難しいと思う次第です。

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