目次
はじめに
JPEGファイルの容量でノイズレベルを定量的に比較できそうなので(詳細はこちら)、EOS R8とEOS R6のノイズ特性を比較してみました。
果たして画質の良い(ノイズが少ない)のは、どちらでしょうか?
EOS R8とEOS R6のノイズレベル
下のチャートが、EOS R8において高感度撮影時のノイズ低減をOFF、長秒時露光のノイズ低減をOFF、明瞭度を0、オートライティングオプティマイザをOFF、ピクチャースタイルを風景としたときのノイズレベルです。
次に下が同じ条件でのEOS R6のノイズレベルです。
この2枚を単純に比較できれば良いのですが、画素数が2420万画素(EOS R8)と2010万画素(EOS R6)と異なるのでそうはいきません。
とは言いながら、多少無理(無謀)をしてでも比較したくなるのが、世の常、人の常です。
補正後のEOS R8とEOS R6のノイズレベル
そんな訳で、EOS R8の方が画素数が1.2倍大きい事から、EOS R6のJPEGファイルの容量を1.2倍して1枚のチャートに重ねたのが以下になります。
するとご覧の通り、かなりそれらしいチャートではありませんか。
当然ながらEOS R6の方が画素数が少ないので、ノイズに対しては有利です。
このため低感度領域では、EOS R6の方がノイズが少なくなっています。
ところが高感度領域では、なぜかEOS R8の方が優れています。
これを無理やりこじつければ、EOS R8の撮像素子の方が新しいので、高感度領域のノイズレベルが改善されているのかもしれません。
またEOS R8のISO40000~64000辺りでノイズレベルが大幅に低下している事を見ると、何かしら増幅回路にも手を加えている様にも見えます。
EOS R8のISO3200~12800
またもしこのチャートが正しいとしたら、もう一つ興味深い事があります。
それはISO3200~12800辺りにおいては、EOS R6とEOS R8のノイズレベルは同じだという事です。
この辺は星空撮影で良く使用するISO感度なのですが、その場合暗闇に有利な低画素のEOS R6を使おうと思っていました。
ところが、もしノイズレベルが同じであれば小さくて軽いEOS R8が使えます。
これは実際に撮り比べてみるしかありませんが、かなり有益な情報です。
EOS R8のISO50
またもう一つ有効な情報があります。
それはEOS R8のISO50です。
ISO50は拡張ISO感度なので、恐らくアッテネータ等を使ってISO100のアナログ信号を減衰させているのでしょうが、EOS R8のISO50はISO100よりノイズレベルが小さくなっているではありませんか。
このためEOS R8においては、(EOS R6以上に)明るい場所で積極的にISO50を使う価値がありそうです。
ただし拡張のISO50は、両機ともISO AUTOでは自動で選択できない様になっており、更に動画ではISO50は設定できない仕様になっているのが、何とも残念な所です。
EOS R8のISO500
最後にお伝えしたいのが、ISO500です。
上のチャートをご覧頂きます様に、EOS R8もEOS R6もISO500でノイズレベルが低下しています。
特にEOS R8においては、ISO100よりもノイズが少ないのです。
ダイナミックレンジはISO100で撮った方が広いので常時ISO500で撮るべきとは言わないものの、もしここ一番でノイズの最も少ない綺麗な画像で撮りたいのであれば(たとえRAWファイルであっても)ISO500で撮るのがベストと言えます。
まとめ
以上をまとめますと以下の様になります。
1. EOS R8とEOS R6のノイズレベルを補正して比較すると、低感度領域ではEOS R8の方が優れているが、高感度領域ではEOS R8の方が優れている。
2. この理由はEOS R8の方が新しい撮像素子で、また高感度領域の増幅回路にも手を加えられている可能性がある。
3. もしこのチャートが正しければ、ISO3200~12800の中感度領域においては、両機のノイズレベルは同じと言える。
4. EOS R8のISO50はISO100よりもノイズレベルは小さいので、明るい所では積極的に使う価値がある。
5. EOS R8におけるISO500のノイズレベルはISO50よりも小さいので、ここ一番の写真においてはISO500を使うのがベストである。
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