錯乱円とは

はじめに

錯乱円( circle of confusion)とは何かご存知でしょうか。

ネットで調べるといきなり難しい説明が出てきますが、実は非常に簡単な事です。

錯乱円とは

早い話が、点光源を撮った場合における、撮像素子(もしくはフィルム)上でピントが合っていると許容できるボケの大きさ(直径)を表しているのです。

すなわち錯乱円が0.03mmだとしたら、点光源を撮った場合のボケの直径がフルサイズの撮像素子上で0.03mmという事を表しています。

錯乱円のイメージ図(実際のφ0.03mmはこの点の1/25の大きさ)

錯乱円の目的

ではこの錯乱円は何のために使われるかと言えば、本来点光源にピントが合っていれば、その点光源の大きさは限りなくゼロに近いのですが、取り敢えずこのφ0.03mmの大きさのボケまではピントが合っている事にして被写界深度を求める事にしたのです。

φ0.03mmの根拠

またこのφ0.03mmをどうやって決めたかと言えば、フィルム時代に引き延ばす印画紙の大きさや、それを人が見る距離や、人の眼の分解能を考慮して決められたという訳です。

φ0.03mmのままで良いのか

近年カメラがデジタル化されて高画素化になった事や、写真を見るモニターも解像度が上がったりしたのに伴って、この錯乱円φ0.03mmをもっと小さくしなければなりません。

ところが、実際にこの錯乱円を半分にして計算してみても、被写界深度は数センチほどしか変わらないのです。

このため、錯乱円を0.03mmにするかそれより小さくするかは、現実的にはどちらでも構わないというのが、弊サイトの考えです。

名称

なおこの錯乱円ですが、どうも日本語が良くありません。

確かにconfusionとは、錯乱とか混乱という意味なのですが、これ以外にも曖昧とか混同という意味もあります。

このため、むしろ曖昧円とか混同円と命名した方が、より分かり易かったと思わないではいられません。

なおネットの記事では、これを許容錯乱円と呼んでいたりもしていますが、厳密には錯乱円自体に許容の意味が含まれています。

このため間違いだとは言わないまでも、これでは白い白馬になってしまいます。

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